
目次
神奈川県は関東でも人気の居住地域で、あらゆる年齢層の世帯が新築一戸建ての購入を検討しています。
中でも40~50代は、子の独立などのタイミングで、夫婦ふたりの新生活を見えた住まい購入のニーズが高く、フラット35の利用者が最も多い世代です。
新たに住宅ローンを組むにあたっては、資金計画・審査・返済については関連するリスクも踏まえて、慎重に対応策を考えてからの行動でなくてはなりません。
そこで今回は、40~50代の住宅ローン利用者の実態についてまとめました。
ミドル層の返済は長期化傾向
住宅金融支援機構が2025年7月に発表した金利は、約2ヶ月ぶりに前月比マイナスです。
このタイミングで、フラット35を検討する世帯は、ミドル層も含めて増えると予想されます。
住宅金融支援機構が公開しているデータでは、ミドル層の返済期間が長期化している結果が出ており、その理由や実態について見ていくことにします。
返済期間の実態
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者の実態調査結果(2025年4月調査)では、返済期間35年超の増加が伸びています。
- 「20年以内」:13.6%(+1.6ポイント)
- 「20年超~35年以内」:60.9%(-6.2ポイント)
- 「35年超~50年以内」:25.5%(+4.6ポイント)
※増減ポイントは2024年10月調査比
利用者層の平均年齢は44.3歳(2023年度)で、内訳と変化の割合は下記の通りです。
年齢層
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2013年度
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2023年度
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変化割合
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30歳未満
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13.4%
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10.6%
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‐2.8%
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30歳代
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46.8%
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30.4%
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‐16.4%
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40歳代
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22.7%
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27.6%
|
+4.9%
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50歳代
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10.1%
|
17.6%
|
+7.5%
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60歳代
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6.9%
|
13.9%
|
+7.0%
|
30歳代より若い世代の利用者が減少した一方で、40~60代以上は増加しています。
続いて、返済期間ごとの伸び率と利用者層の変化から、40代以降での住宅ローン利用の背景や傾向を見ていきましょう。
40代以降の長期ローンの背景
40~50代で初めての住宅ローン利用、しかも長期にわたる返済の背景には、晩婚化や子育て開始時期の遅れ、再雇用制度の定着など、ライフイベント全体が後ろ倒しになっている社会的な傾向も影響していると考えます。
また、住宅価格が省エネなどの高機能化や建築コストの高騰で上昇する中で、年収のピークを迎える40~50代の共働き世帯であれば、審査の壁も高くないと想定されます。
金融機関側も、定年後も働き続ける人が増えている現状をふまえ、50代でも35年ローンを組めるケースが拡大中です。
ただし、契約年齢が高いほど返済期間中の健康状態や収入減のリスクを加味した、慎重な計画と運用が求められます。
繰り上げ返済や退職金による一括返済を視野に入れた設計を前提にしたいところです。
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長期返済にひそむリスク
住宅ローンの長期返済は、月々の返済を抑えられ、ゆとりのある生活ができるメリットがありますが、40代以降となると資金面や健康へのリスク対応も考えなければなりません。
どのようなリスクに備えるのか、この章では定番ともいえる定年後からのローン返済、契約者の健康面を焦点にして解説します。
完済年齢は70歳超
40歳で35年の返済計画とした住宅ローンのケースで考えてみましょう。
完済年齢は75歳です。
60歳で定年退職を迎えたとしても、再雇用制度があれば、65歳まで同じ会社で働くプランを前提とします。
再雇用となると年収は下がる傾向が強く、一般的には定年退職前の半分程度と考えたほうが無難です。
65歳以降も再就職、あるいはフリーランスとして収入が確保できればよいですが、そうではない場合は完済までの10年間、年金とパート・アルバイト収入で住宅ローンの返済を続けなければなりません。
ただし、ここまでのストーリーは健康面で何も問題がない場合の話で、しかも65歳以上での再就職は、スキル・経験があったとしてもハードルは高いのが現実です。
最悪のケースとして年金収入のみで、返済を含めた生活が成り立つかがカギとなります。
40歳以降での住宅ローン利用においては、金融機関やファイナンシャルプランナーなどと、老後破綻をしないためのシミュレーションを入念に行ったうえで、契約に進むことが求められます。
団信でカバーしきれないリスク
団信とは団体信用生命保険の略称で、債務者(住宅ローン契約者)が返済期間中に死亡・重大な障害状態になった場合に、残債の支払いが免除となるしくみです。
債務者の家族が、自宅を追い出されるリスクを抱えなくて済むため、住宅ローンを組むうえでの重要なリスクヘッジとなっています。
また、団信には死亡や重大な障害状態以外にも、ガンの保障が手厚いプランや三大疾病に対する特約が付いているプランなど、ラインナップも増えており、将来の健康面での不安に備えて選択することができます。
30代であれば、健康状態に問題のない人の割合は多いため、幅広く選択することができますが、40代以降になると生活習慣病を抱えている人も少なくありません。
持病があっても加入できる引受条件の緩和された団信もありますが、フラット35ならば団信加入は必須事項ではないため、40代以降の利用者が増えていることも頷けます。
ただし団信の後ろ盾がありませんから、遺族に対して住宅ローンの支払いは継続されます。
40代以降は健康リスクが露呈しやすく、住宅ローンにも大きく影響してしまうという点では、長期返済の最大の課題です。
返済期間40年でも返済例が瞬時に表示される、神奈川県内の新築一戸建て情報サイトで、具体的な金額を見てみましょう。

無理のない住宅ローンを組む工夫
40代以降となって住宅ローンを組む場合は、定年後に年収が下がってからの返済や健康リスクへの対策など、最長で80歳までの完済を見越した年代特有の課題に向き合う必要があります。
住宅ローンの返済が滞ってしまい、神奈川県の人気エリアに新築で購入した一戸建てを、老後になって任意売却や競売という予期せぬ方法で売却せざるを得ないケースも少なくありません。
住宅ローンの滞納によって、他のローンやクレジットへの審査に強く影響するなど、生活の質が下がることもあり得ます。
滞りなく返済が進む無理のない計画が必要です。
具体的な手段をいくつか紹介します。
頭金を増やす
頭金を増やして住宅ローンの借入額を減らせば、返済期間を変えない限り、月々の支払額が抑えられます。
たとえば新築一戸建てを購入するための希望融資額が3,000万円の場合、頭金を用意することで、月々の返済額は以下のように変わります。
住宅ローン借入額
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月々返済額
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総支払額
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3,000万円(フルローン)
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91,122円
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38,271,155円
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2,800万円(頭金200万円)
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85,047円
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35,719,757円
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2,600万円(頭金400万円)
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78,972円
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33,168,335円
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2,400万円(頭金600万円)
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72,897円
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30,616,956円
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2,200万円(頭金800万円)
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66,823円
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28,065,406円
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2,000万円(頭金1,000万円)
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60,748円
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25,514,020円
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※住宅保証機構運営のシミュレーターによる返済額の試算
※全期間固定金利1.45%、返済期間35年、ボーナス返済なし、元利均等での返済
頭金1,000万円を準備するのは、長期的な積み立てを前もって実行していなければ、かなり大変ですが、総支払額は約1,280万円も下がります。
頭金を準備することで、賃貸住まいの家賃と変わらない金額まで、月々の返済額を抑えられれば生活水準は維持できるという算段です。
さらに借入額を調整できれば返済計画を楽にすることができますし、生活にゆとりが生まれます。
繰り上げ返済で完済年齢を調整
頭金の準備が難しい場合は、繰り上げ返済を盛り込み、完済年齢を前倒しする方法も有効です。
繰り上げ返済は、退職金などまとまった資金が用意できた時に実行するのが一般的であり、細かく支払うよりも効果が大きいため、最優先で考えたいタイミングです。
コツコツと繰り上げ返済に備えて貯金あるいは積み立てを行い、数年に一度の割合で実行するパターンもあります。
複数回の繰り上げ返済では、毎回、手数料などのコストを要しますが、期間短縮または返済額軽減といずれかを、家計の事情で選択できるメリットがありすます。
逆算思考のローン戦略
定年や再雇用の契約終了時に完済する目標を立てて、住宅ローンを契約する考え方もあります。
たとえば40歳で返済をスタートし、定年・再雇用終了までの25年間で完済すれば、以降、家計の負担がかなり軽減されるメリットがあります。
35年ローンを組んだとしても、繰り上げ返済を活用して目標とする年齢で完済となるよう、調整する方法も検討の余地ありです。
年金だけの収入となる可能性が高い場合は、年齢による区切りで完済する計画を立て、現実的かどうか判断してみましょう。
短い返済期間での月々の返済額、繰り上げ返済の必要回数などシミュレーションをおすすめします。
想定した計画に無理があるならば、生活の見直しや購入物件の再検討などで、無理のない条件を詰めていくとよいです。

まとめ
40~50代で新築一戸建てを購入する背景として、晩婚化によって子育ての一段落や子の独立、終の棲家のための持ち家検討などが、その時期であるとの見方が強いです。
70代までの雇用延長が叫ばれる中で、40代が35年ローンを組むことは、もはや標準的なモデルになりつつあるといっても過言ではありません。
ただ、一般的には80歳までが完済の条件となっている住宅ローンが多いため、契約時の年齢と返済期間は無視できないのが現状です。
年金受給者となった後の支払いや健康状態のリスクは避けられず、やはり計画が重要であることに違いはありません。
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