2025.09.15
一戸建て 都市計画

【2025年版】福岡県の最新路線価から見る新築一戸建て価格への影響と狙い目地域を考察

2025年福岡県の路線価上昇の背景や建売住宅の価格動向や狙い目地域や建売住宅の購入のカギなど解説まとめ

目次

 

国税庁が発表した最新の路線価(2025年7月1日発表)において、福岡県の平均上昇率は前年比6.0%となり、東京都、沖縄県に次ぐ全国第3位です。

地価上昇の波は福岡市の中心部だけでなく、久留米市や春日市などの郊外エリアにも広がっています。

地価の動きは、新築一戸建て市場(建売住宅)の価格や供給状況に、どのような影響を与えるのか気になるところです。

そこで今回は、福岡県の地価上昇の背景を探りつつ、建売住宅の現状と今後の展望、購入の狙い目エリアなどについて詳しく解説します。

福岡県の路線価上昇背景

福岡県の路線価における平均上昇率の高さには、福岡市の大規模再開発プロジェクト「天神ビッグバン」や、郊外エリアへの住宅需要のシフトなど、複数の要因が絡み合っているものと考えられます。

ひとつずつ、紐解いてみましょう。

福岡市の都市再開発

福岡市の中心部では、再開発プロジェクト「天神ビッグバン」が進行中です。

このプロジェクトは、規制緩和による民間投資を呼び込むために老朽化したビルの建て替えや新たなオフィスビルの建設を通じて、都市機能の強化と経済活性化が狙いとなっています。

建築堪忍申請数73棟に対して、竣工頭数は58棟で、まだまだ変貌の余地が残っている再開発プロジェクトです。

その結果、天神地区の地価は上昇傾向にあり、中でも中央区天神2丁目の渡辺通りは、1平方メートルあたり前年より2.5%上昇の968万円で、県内最高の路線価を記録しています。 

天神地区に隣接する西新エリアでも地価の上昇が見られ、西新4丁目の明治通りでは、1平方メートルあたり前年から12.3%上昇し146万円です。

交通の利便性が高く、西南学院大学や修猷館高校などの教育機関が集まる文教地区として人気のあるエリアという側面も、地価上昇の理由の一つといえます。 

郊外の地価上昇

福岡市の地価上昇に伴い、周辺の郊外エリアにも影響が広がっています。

特に久留米市や春日市では、交通の利便性や生活環境の良さから、住宅需要が高まっています。

久留米市では、東町西鉄久留米駅前通りの路線価が前年より5.4%上昇し、1平方メートルあたり36万円となりました。

駅ビルのリニューアル効果が路線価に反映されたものと考えてよさそうです。 

春日市では、春日原北町の路線価が前年より13.6%上昇し、1平方メートルあたり50万円です。

このエリアは、西鉄春日原駅やJR春日駅へのアクセスが良好で、福岡方面や久留米方面への通勤の利便性も高いことから、住宅地としての人気が高まっています。 

福岡市の地価高騰により、手頃な価格で住宅を求める人々の流入が一因と考えられ、今後も、交通インフラの整備や生活環境の向上次第では、郊外エリアの地価上昇が続く可能性があります。

久留米市や春日市での新築一戸建て物件の概要と価格を、今すぐチェックしましょう。

2025福岡県の路線価上昇の背景として福岡市の都市再開発があり春日市や久留米市など郊外の地価が上昇している

建売住宅の価格動向

路線価は新築一戸建ての価格にも大きな影響を与えます。

福岡市内中心部の地価の高騰に伴う建売住宅の価格上昇が、郊外エリアでも同様の傾向が見られます。

以下では、福岡市とその郊外エリアにおける建売住宅の平均価格と、その上昇率について詳しく見ていきましょう。

いずれも価格相場は、e建売netの建売住宅相場情報(2025年7月現在)からの引用です。

福岡市の平均価格と上昇率

城南区での建売住宅平均価格は4,705万円となっており、前年同月比で約5.2%の上昇を記録しています。

博多区では平均価格が3,937万円で、前年同月比で約4.8%の上昇です。

地価の高騰だけでなく、建築資材の価格上昇や人件費の増加なども影響していると考えられます。

郊外の平均価格と上昇率

前述の春日市を例に挙げると、建売住宅の平均価格が4,650万円となっており、半年前と比較して約700万円の上昇です。

4,000万円を切る価格で推移してきましたが、一気に上振れした印象があります。

筑紫野市や大野城市なども、建売住宅の価格が上昇傾向で、いずれも交通の利便性が高く、生活環境も良好であることから、今後も需要が高まることが予想されます。

中心部と郊外との格差縮小?

福岡市の中心部と郊外エリアでは、建売住宅の価格に大きな差がありました。

改めて相場を確認してみたところ、福岡市城南区の平均価格が4,705万円であるのに対し、春日市の平均価格は4,650万円ですから価格差はわずか55万円です。

このような価格差の縮小は、郊外エリアへの住宅需要の高まりを示す数字として十分なインパクトがあります。

ちなみに県内で最も地価上昇率が高かった久留米市の建売住宅平均価格は2,880万円であり、ほぼ横ばいです。

福岡市内への交通利便性は春日市に有利な面は否めませんが、よりリーズナブルな住宅を求める場合は、通勤など条件次第で選択肢になり得ます。

郊外エリアの新築一戸建て物件も続々と公開されています。

福岡市の城南区や博多区、春日市や久留米市やなどの建売住宅の平均価格や上昇率など解説

建売住宅の狙い目地域

福岡県内で建売住宅の価格が上昇する中で、通勤・通学の利便性や生活環境、価格帯などのバランスを考慮すると、依然として狙い目となるエリアが存在します。

通勤とコストパフォーマンスを重視する方、供給が増えつつある穴場地域を求める方、子育て環境を優先する方に向けて、具体的なエリアを紹介します。

通勤やコスパで選ぶなら:筑紫野市・大野城市

筑紫野市や大野城市は、福岡市の中心部や久留米方面の通勤にも便利な位置にあり、比較的手頃な価格で建売住宅を購入できるエリアです。

JR鹿児島本線や西鉄天神大牟田線周辺の立地ならば、博多駅や天神地区または久留米市方面へのアクセスの良さを手に入れられます。

自動車での通勤や長距離移動にも電車に劣らず、福岡都市高速の水城から博多駅・香椎方面、あるいは九州自動車道大宰府IC方面にアクセスできるメリットがあります。

建売住宅の平均価格は、筑紫野市が約3,254万円、大野城市も約4,263万円で、福岡市城南区とは450~1,500万円程度コストを抑えられるとみて良さそうです。

どちらも商業施設や教育機関も充実しており、ファミリー層にとって住みやすい落ち着いた環境が得られ、今後も、目が離せないエリアとして注目しておきましょう。

供給が多い穴場地域:古賀市・福津市・宗像市

古賀市・福津市・宗像市は、福岡市の中心部からやや離れた位置にありますが、建売住宅の分譲や開発が比較的増えており、価格もより手頃なエリアです。

この3つの自治体は隣り合っており、JR鹿児島本線と国道3号線によって、福岡市や北九州市のどちらへのアクセスも不便に感じるレベルではありません。

それぞれの建売住宅平均価格も、軒並み価格が抑えられ、中でも宗像市は極めて魅力的です。

  • 古賀市:約3,948万円
  • 宗像市:約1,876万円
  • 福津市:約3,243万円

これらのエリアは自然環境が豊富で、新たな分譲地の開発も進んでいるため、リーズナブルな建売住宅の選択肢が多く、予算規模に合った物件を比較検討しやすいメリットもあります。

子育て世代は文教地区:西新・藤崎・大橋・高宮

子育て世代にとって、教育環境や生活利便性は重要な要素です。

福岡市内の西新・藤崎・大橋・高宮は文教地区として知られ、人気が続いています。

西新や藤崎は早良区にあり、福岡市営地下鉄空港線が通っていることにより交通の利便性が高いだけでなく、西南学院大学や修猷館高校などの県内有数の教育機関が集まっています。

大橋や高宮は南区にあり、西鉄天神大牟田線を利用したアクセスが良好でありながら、閑静な住宅街として住みやすい環境です。

建売住宅の平均価格は、早良区が4,347万円で南区が4,201万円と福岡市内に属する分やや高めですが、教育環境や生活利便性を重視する子育て世代にとって、魅力的な選択肢となります。

将来的な資産価値の維持や向上も期待できる地区です。

狙い目地域の建売住宅情報と価格を、今すぐチェックできます。

福岡県内の建売住宅の狙い目地域は筑紫野市や大野城市や古賀市福津市宗像市や西新藤崎大橋高宮など

即断即決が建売住宅購入のカギ

毎年のように路線価が上昇し、建売住宅の価格にも影響するとなれば、今が安い時期と捉えることもできます。

福岡県内全体の住宅供給量が需要に追い付いてなければ、即断即決が求められる状況にもなりかねません。

建売住宅の供給状況や購入タイミングの重要性について詳しく解説します。

人気エリアは争奪戦

交通の利便性が高く、生活環境が整ったエリアでは、建売住宅の着工数が減少傾向にあります。

2025年5月の福岡県全域での建売住宅着工戸数は、わずか525棟で、福岡市内だけなら241棟です。

本記事で取り上げた城南区(12棟)・博多区(92棟)・南区(23棟)・早良区(30棟)の内訳から見ても、販売開始と同時に完売というのも珍しくありません。

購入を検討する際には、事前の情報収集と申し込みの準備を整えたうえで、希望条件に合致する物件が見つかった場合には、迅速にアプローチすることが重要です。

購入タイミング

建売住宅の購入タイミングは、家族のライフイベントや予算、住宅ローンの金利動向などを考慮しての決定が理想的です。

例えば、子どもの入学や転校を控えている場合は、学期の始まりに合わせた引っ越しの計画が望ましいといえます。

住宅ローンの金利が上昇傾向にあるならば、早い段階での契約に至れば、将来的な支払い総額を抑えられます。

急いで購入したいことを理由に内覧を適当に済ませる、住環境のチェックを怠ることは避けましょう。

複数の物件を比較検討し、ライフスタイルに合った住まい選びが重要です。

福岡県の建売住宅は着工数が多くなく需要に追いついておいらず争奪戦のため購入のカギは即断即決

まとめ

2025年の福岡県の路線価は全国第3位の上昇率を記録し、福岡市の再開発や郊外への住宅需要の広がりが影響しています。

とはいえ、通勤の利便性や生活環境を考慮すれば、狙い目の地域もたくさんあります。

ただし着工数は決して多いとは言えないため、人気エリアの競争は激しく、購入には即断即決が求められる様相です。

購入タイミングが難しいですが、価格や立地だけでなく、ライフスタイルや将来的な資産価値も視野に入れた選択が、後悔のない住まい選びにつながります。

福岡県で一戸建て住宅を探したいときは、リブワークのe建売netにお任せください。

また、福岡県で新築の一戸建て住宅の購入を検討している方は、リブワークにぜひご相談ください。

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